Here are the spring kigo haiku of Yosa Buson such as index against the 224 found in the Merwin translations :
1 ほうらいの山まつりせむ老の春
2 日の光今朝や鰯のかしらより
3 三椀の雜煮かゆるや長者ぶり
4 うぐひすのあちこちとするや小家がち
5 鶯の聲遠き日も暮にけり
6 うぐひすの鹿相がましき初音哉
7 鶯を雀歟と見しそれも春
8 うぐひすや賢過たる軒の梅
9 鶯の日枝をうしろに高音哉
10 うぐひすや家内揃ふて飯時分
11 鶯や茨くゞりて高う飛ぶ
12 うぐひすの啼やちいさき口明て
13 青柳や我大君の艸か木か
14 若草に根をわすれたる柳かな
15 梅ちりてさびしく成しやなぎ哉
16 捨やらで柳さしけり雨のひま
17 青柳や芹生の里のせりの中
18 出る杭をうたうとしたりや柳かな
19 二もとの梅に遲速を愛す哉
20 うめ折て皺手にかこつ薫かな
21 白梅や墨芳しき鴻ウ舘
22 しら梅や誰むかしより垣の外
23 舞ゝの場もふけたり梅がもと
24 出べくとして出ずなりぬうめの宿
25 宿の梅折取ほどになりにけり
26 隅ゝに殘る寒さやうめの花
27 しら梅や北野ゝ茶屋にすまひ取
28 うめ散や螺鈿こぼるゝ卓の上
29 梅咲て帶買ふ室の遊女かな
30 源八をわたりて梅のあるじ哉
31 燈を置カで人あるさまや梅が宿
32 梅咲ぬどれがむめやらうめじややら
33 しら梅の枯木にもどる月夜哉
34 小豆賣小家の梅のつぼみがち
35 梅遠近南すべく北すべく
36 なには女や京を寒がる御忌詣
37 御忌の鐘ひゞくや谷の氷まで
38 やぶ入の夢や小豆の煮るうち
39 藪いりやよそ目ながらの愛宕山
40 やぶいりや守袋をわすれ草
41 秩父入や鉄漿もらひ來る傘の下
42 やぶ入は中山寺の男かな
43 七くさや袴の紐の片むすび
44 これきりに徑盡たり芹の中
45 古寺やほうろく捨るせりの中
46 筋違にふとん敷たり宵の春
47 肘白き僧のかり寢や宵の春
48 春の夜に尊き御所を守身かな
49 春月や印金堂の木間より
50 瀟湘の鴈のなみだやおぼろ月
51 折釘に烏帽子かけたり春の宿
52 公達に狐化たり宵の春
53 春の夜や宵あけぼのゝ其中に
54 女倶して内裏拜まんおぼろ月
55 藥盗む女やは有おぼろ月
56 よき人を宿す小家や朧月
57 さしぬきを足でぬぐ夜や朧月
58 草霞み水に聲なき日ぐれ哉
59 指南車を胡地に引去ル霞哉
60 高麗舟のよらで過ゆく霞かな
61 橋なくて日暮んとする春の水
62 春水や四條五條の橋の下
63 足よはのわたりて濁るはるの水
64 春の水背戸に田作らんとぞ思ふ
65 春の水うたゝ鵜繩の稽古哉
66 蛇を追ふ鱒のおもひや春の水
67 春雨や人住ミて煙壁を洩る
68 物種の袋ぬらしつ春のあめ
69 春雨や見にふる頭巾着たりけり
70 春雨や小磯の小貝ぬるゝほど
71 瀧口に燈を呼聲や春の雨
72 ぬなは生ふ池の水かさや春の雨
73 春雨やもの書ぬ身のあはれなる
74 はるさめや暮なんとしてけふも有
75 春雨やものがたりゆく簑と傘
76 柴漬の沈みもやらで春の雨
77 春雨やいざよふ月の海半
78 はるさめや綱が袂に小でうちん
79 古庭に茶筌花さく椿かな
80 あぢきなや椿落うづむにはたずみ
81 玉人の座右にひらくつばき哉
82 初午やその家の袖だゝみ
83 はつむまや鳥羽四塚の鶏の聲
84 初午や物種うりに日のあたる
85 莟とはなれもしらずよ蕗のとう
86 命婦よりぼた餅たばす彼岸哉
87 そこゝに京見過しぬ田にし賣
88 なつかしき津守の里や田螺あへ
89 靜さに堪へて水澄たにしかな
90 鴈立て驚破田にしの戸を閉る
91 鴈行て門田も遠くおもはるゝ
92 歸る鴈田ごとの月の曇る夜に
93 きのふ去ニけふいに鴈のなき夜哉
94 陽炎や名もしらぬ虫の白き飛
95 かげろふや簀に土をめづる人
96 畑うつやうごかぬ雲もなくなりぬ
97 はた打よこちの在所の鐘が鳴
98 畑打や木間の寺の鐘供養
99 春雨の中におぼろの清水哉
100 日くるゝに雉子うつ春の山邊かな
101 柴刈に砦を出るや雉の聲
102 龜山へ通ふ大工やきじの聲
103 兀山や何にかくれてきじのこゑ
104 むくと起て雉追ふ犬や寶でら
105 木瓜の陰に貌類ひ住ムきゞす哉
106 妹が垣根さみせん草の花咲ぬ
107 紅梅や此丘より劣る此丘尼寺
108 紅梅の落花燃らむ馬の糞
109 垣越にものうちかたる接木哉
110 裏門の寺に逢着す蓬かな
111 畑うちや法三章の札のもと
112 きじ啼や草の武藏の八平氏
113 きじ鳴や坂を下リの驛舎
114 山鳥の尾をふむ春の入日哉
115 遲キ日や雉子の下りゐる橋の上
116 遲き日のつもりて遠きむかしかな
117 春の海終日のたりゝ哉
118 畠うつや鳥さへ啼ぬ山かげに
119 耕や五石の粟のあるじ貌
120 飛かはすやたけごゞろや親雀
121 大津繪に糞落しゆく燕かな
122 大和路の宮もわら屋もつばめ哉
123 つばくらや水田の風に吹れ貌
124 燕啼て夜蛇をうつ小家哉
125 曙のむらさきの幕や春の風
126 野ばかまの法師が旅や春のかぜ
127 片町にさらさ染るや春の風
128 のうれんに東風吹いせの出店哉
129 河内路や東風吹送る巫女が袖
130 月に聞て蛙ながむる田面かな
131 閣に座して遠き蛙をきく夜哉
132 苗代の色紙に遊ぶかはづかな
133 日は日くれよ夜は夜明ケよと啼蛙
134 連哥してもどる夜鳥羽の蛙哉
135 獨鈷鎌首水かけ論のかはづかな
136 うつゝなきつまみごゝろの胡蝶哉
137 曉の雨やすぐろの薄はら
138 よもすがら音なき雨や種俵
139 古河の流を引つ種おろし
140 しのゝめに小雨降出す燒野哉
141 山吹や井手を流るゝ鉋屑
142 居りたる舟を上ればすみれ哉
143 骨拾ふ人にしたしき菫かな
144 わらび野やいざ物焚ん枯つゝじ
145 野とゝもに燒る地藏のしきみ哉
146 つゝじ野やあらぬ所に麥畠
147 つゝじ咲て石移したる嬉しさよ
148 近道へ出てうれし野ゝ躑躅哉
149 つゝじ咲て片山里の飯白し
150 岩に腰吾頼光のつゝじ哉
151 古雛やむかしの人の袖几帳
152 箱を出る貌わすれめや雛二對
153 たらちねのつまゝずありや雛の鼻
154 出代や春さめと古葛籠
155 雛見世の灯を引ころや春の雨
156 雛祭る都はづれや桃の月
157 喰ふて寢て牛にならばや桃花
158 商人を吼る犬ありもゝの花
159 さくらより桃にしたしき小家哉
160 家中衆にさむしろ振ふもゝの宿
161 几巾きのふの空のありどころ
162 やぶいりのまたいで過ぬ几巾絲
163 木の下が蹄のかぜや散さくら
164 手まくらの夢はかざしの櫻哉
165 剛力は徒に見過ぬ山ざくら
166 夜桃林を出てあかつき嵯峨の櫻人
167 暮んとす春をゝしほの山ざくら
168 錢買て入るやよしのゝ山ざくら
169 ゆき暮て雨もる宿やいとざくら
170 哥屑の松に吹れて山ざくら
171 まだきとも散りしとも見ゆれ山櫻
172 嵯峨ひと日閑院樣のさくら哉
173 みよし野ゝちか道寒し山櫻
174 旅人の鼻まだ寒し初ざくら
175 海手より日は照つけて山ざくら
176 花に遠く櫻に近しよしの川
177 花に暮て我家遠き野道かな
178 花ちるやおもたき笈のうしろより
179 花の御能過て夜を泣ク浪花人
180 阿古久曾のさしぬきふるふ落花哉
181 かくれて住て花に眞田が謠かな
182 玉川に高野ゝ花や流れ去
183 なら道や當皈ばたけの花一本
184 嵯峨へ歸る人はいづこの花に暮し
185 花の香や嵯峨のともし火消る時
186 筏士の蓑やあらしの花衣
187 傾城は後の世かけて花見かな
188 花に舞ハで歸さにくし白拍子
189 花に來て花にいねぶるいとま哉
190 花を蹈し草履も見えて朝寐哉
191 居風呂に後夜きく花のもどりかな
192 鶯のたまゝ啼や花の山
193 ねぶたさの春は御室の花よりぞ
194 さくら狩美人の腹や減却す
195 花の幕兼好を覗く女あり
196 小冠者出て花見る人を咎けり
197 にほひある衣も疊まず春の暮
198 誰ためのひくき枕ぞはるのくれ
199 閉帳の錦たれたり春の夕
200 うたゝ寢のさむれば春の日くれたり
201 春の夕たえなむとする香をつぐ
202 花ちりて木間の寺と成にけり
203 苗代や鞍馬の櫻ちりにけり
204 甲斐がねに雲こそかゝれ梨の花
205 梨の花月に書ミよむ女あり
206 人なき日藤に培ふ法師かな
207 山もとに米蹈ム音や藤のはな
208 うつむけに春うちあけて藤の花
209 菜の花や月は東に日は西に
210 なのはなや笋見ゆる小風呂敷
211 菜の花や鯨もよらず海暮ぬ
212 爐塞て南阮の風呂に入身哉
213 爐ふさぎや床は維摩に掛替る
214 ゆく春や逡巡として遲ざくら
215 行春や撰者をうらむ哥の主
216 洗足の盥も漏りてゆく春や
217 けふのみの春をあるひて仕舞けり
218 行春や白き花見ゆ垣のひま
219 春をしむ座主の聯句に召れけり
220 行春やむらさきさむる筑羽山
221 まだ長ふなる日に春の限りかな
222 ゆく春や横河へのぼるいもの神
223 返哥なき青女房よくれの春
224 春惜しむ宿やあふみの置火燵
See my next post for the Merwin first lines in hiragana.
The haiku above roughly correspond to the first found in the Japanese text of haikushuu for Buson.
No comments:
Post a Comment