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Monday 28 July 2014

The unique kanji in Yosa Buson haiku (Merwin translations)


Here are the 1,097 unique kanji in the Yosa Buson haiku that I have found in the Copper Canyon Press translations of W.S. Merwin :

丁七丈上下不世丘並中丸丹主久乏乕乞也乾事五井亡京亭人今仕付仙代以仲任伏休似住何佗佛作來供便信俵倉倚倶假傘備傾僧儀兀先光兎兒入公六兵其具典兼内冠冬冷凉几凩凪出刀分切刈初別利刺刻剃前剛剥力加劣助勝勺匂化北十千午半卓南卯印却卷原厭去參又友取受口古句叩只召可右司合同名吐君吟否吹吼吾呂呉呼命和咎咲哉哥唐唖商問啼喰噛嚔四國園團土在地坂坊坐垢垣城培堂堅堪場塀塚塞墨壁士壺夏夕外多夜夢大天太夫失奇奈女奴好妹妻姓娑娘婆婦嬉子字存學守安宕宗宜客室宮害宵家容宿寂富寐寒寢實寫寶寸寺射尊對小尺尻尼尽尾居屋屏屑履山岡岩岸峨峯峰嵐嵯嶋川州巡工巨巫巾市帆帋師帳帶帽幕干平年庇床底店度座庭庵廣廻廿弓引弟弰彈彌彦彫影彼往待律後徑徒得御微徳心忌忍志忘念思恨息惜惠愁愚愛憎戀成我或截戸戻房所扇手打扨投折拂拍拜拭拾持指振挺捨掘掛採接揚握摩摺撰擂擧攝放故敏散敲敷數文斐斜斧新方施旅既日早旱明昏易春時晝智暑暗暦暮曇曉曙更書曾替最會月有朔朗望朝朧木末本札朽村杖杜杭東杷松板枇枋枕林果枝枯染柩柱柳柴柿栗根桂桃案桶梁梅條梢梨梶梺棒棚森植椎椒椿楓楠極榎榧槿樂樒樓樣横樵樹橋橘機櫛櫻次歟歡止正此武歩歸死殘殻殿母毎毛氏氣水氷汁汐汝江池沈沙河油泉泊法泡波泣洗津洩活流浪浮海消涙涸淀淋深淵淺添清減渡湖湘湯源溜滅漁漂漆漏漕漬漿潜澄澤濁濱瀟瀧瀬火灯灸炎炭炷烏焚無煙照煮燃燈燒燕燧燭燵爐父片牙牛牡物特犬狂狐狩狸狹猪猫猿獄獨玉王珠琴瓜瓢生甥田甲申男町畑畠番畫當疊疎病痩痴白百皈皐皷皺皿盆盗盡盥目相眉眞眠眼着矢短石砂砥砦砧破硯碎碑磨磯礫祇祈祓神祭禪禮禰秋科秩移稚種稻稽積穗穴空窓窮窺立章童竪端竹竿笈笋笛笠筆筋筌筍筏筑箕箪箱箸篝簀簑簔籠籬米粉粒粟粧粽糞糸紀紅納紐紙素細終給絲絶絹經維綱網綿織繩繪缶缺置羅美群羽翁翌翠老者耐耕耳耻聞聯聲職肆肘肺背胡胸能脇脚脛脱腰腸腹臑臣臥至臺興舎舘舞舟良色艸芋芝芦芭花芳芹苑苓苗若苦英茂茄茨茯茶茸草荻莖莟菊菜菫菰菴萍萩落葉葛葱蒔蒲蓄蓑蓬蓮蓴蓼蕉蕎蕗蕭薄薪薫藍藏藤藥藪藻蘇蘭處號虫蚊蛇蛙蝉蝮蝶蝸螺蟇蟹蟻蠅蠧衆行衞衣表衾袂袋袖袴袷裂裏裙裸裾褒西見規覗親覺角解言討記訪許詠詣詩詫誘語誰諏論諷謠議谷豁豆豚貌貝負貧貪貫買賀賢賣賤質賭贊赤走起越足跡路踏蹄蹈躅躍躑身車軒輪辻込迎近返迸追送逆這通速造逡逢連遊運過道達違遠遮遲遺避邊郎部郷都酒里野金釘釜釣釼鈷鈿鉄鉋鉢鉤銀鋸錢錦鍋鎌鎗鏑鏡鐘鐵鑑鑿長門閉閑間閣閨閻闇關阮阿陀降限院陰陽隅階際隣隱雀集雉雛雜離雨雪雫雲雷震霜霞霧霰露靈青靜面鞍鞘鞨韮音響頂頃順須領頭頼額願類風飛食飯飼餅餉養餘首香馬駄駒駕騎驚驛骨髏髑高髪鬼魂魚鮎鮒鮓鮭鯉鯨鯰鰒鰓鱈鱒鱸鳥鳩鳴鳶鴈鴛鴫鴻鵆鵑鵙鵜鶉鶏鶯鶴鷺鹽鹿麗麥麻黄黒點鼓鼠鼻鼾齒龜

1,097



Tuesday 22 July 2014

Buson autumn kanji for Merwin index


Here are the Autumn kanji indexed as in the W.S. Merwin translations from Copper Canyon Press :

458, 秋來ぬと合點させたる嚔かな
459, 秋たつや何におどろく陰陽師
460, 貧乏に追つかれけりけさの秋
461, 秋立や素湯香しき施藥院
462, 初秋や餘所の灯見ゆる宵のほど
463, とうろうを三たびかゝげぬ露ながら
464, 高燈籠滅なんとするあまたゝび
465, 梶の葉を朗詠集のしほり哉
466, 戀さまゝ願の糸も白きより
467, つと入やしる人に逢ふ拍子ぬけ
468, あぢきなや蚊屋の裙蹈魂祭
469, 魂棚をほどけばもとの座敷哉
470, 大文字やあふみの空もたゞならね
471, 相阿彌の宵寢起すや大文字
472, 攝待にきせるわすれて西へ行
473, 英一蝶が畫に贊望れて
474, 四五人に月落かゝるおどり哉
475, ひたと犬の啼町越へて躍かな
476, 萍のさそひ合せておどり哉
477, いな妻や八丈かけてきくた摺
478, いな妻の一網うつやいせのうみ
479, いなづまや堅田泊リの宵の空
480, 日ごろ中よくて耻あるすまひ哉
481, 飛入の力者あやしき角力かな
482, 夕露や伏見の角力ちりゝに
483, 負まじき角力を寢ものがたり哉
484, 柳散清水涸石處々
485, 小狐の何にむせけむ小萩はら
486, 薄見つ萩やなからむ此ほとり
487, 山は暮て野は黄昏の薄哉
488, 女郎花そも莖ながら花ながら
489, 里人はさともおもはじをみなへし
490, 秋ふたつうきをますほの薄哉
491, 茨老すゝき痩萩おぼつかな
492, 猪の露折かけてをみなへし
493, 白萩を春わかちとるちぎり哉
494, 垣ね潜る薄ひともと眞蘇枋なる
495, きちかうも見ゆる花屋が持佛堂
496, 朝がほや一輪深き淵のいろ
497, 朝貌や手拭のはしの藍をかこつ
498, 夜の蘭香にかくれてや花白し
499, 蘭夕狐のくれし奇楠を炷かむ
500, 花すゝきひと夜はなびけ武藏坊
501, しら露やさつ男の胸毛ぬるゝほど
502, ものゝふの露はらひ行弰かな
503, 立去ル事一里眉毛に秋の峰寒し
504, 白露や茨の刺にひとつづゝ
505, 狩倉の露におもたきうつぼ哉
506, 市人の物うちかたる露の中
507, 身にしむや横川のきぬをすます時
508, 身にしむや亡妻の櫛を閨に踏
509, 朝露やまだ霜しらぬ髪の落
510, 葛の葉のうらみ貌なる細雨哉
511, 朝貌にうすきゆかりの木槿哉
512, 朝霧や村千軒の市の音
513, 朝霧や杭打音丁々たり
514, もの焚て花火に遠きかゝり舟
515, 花火せよ淀の御茶屋の夕月夜
516, 八朔や扨明日よりは二日月
517, 初汐に追れてのぼる小魚哉
518, 水一筋月よりうつす桂河
519, 虫賣のかごとがましき朝寢哉
520, むし啼や河内通ひの小でうちん
521, みのむしや秋ひだるしと鳴なめり
522, 蠧て下葉ゆかしきたばこ哉
523, 小百姓鶉を取老となりにけり
524, 鬼灯や清原の女が生寫し
525, 日は斜關屋の鎗にとんぼかな
526, 中ゝにひとりあればぞ月を友
527, 名月にゑのころ捨る下部哉
528, 身の闇の頭巾も通る月見かな
529, 月天心貧しき町を通りけり
530, 月今宵松にかへたるやどり哉
531, 名月や雨を溜たる池のうへ
532, 名月やうさぎのわたる諏訪の海
533, 旅人よ笠嶋かたれ雨の月
534, 月今宵あるじの翁舞出よ
535, 仲丸の魂祭せむけふの月
536, 名月や夜は人住ぬ峰の茶屋
537, 山の端や海を離るゝ月も今
538, 庵の月主をとへば芋掘に
539, かつまたの池は闇也けふの月
540, 月見ればなみだに碎く千々の玉
541, 花守は野守に劣るけふの月
542, 名月や神泉苑の魚躍る
543, 一行の鴈や端山に月を印す
544, 紀の路にも下りず夜を行鴈ひとつ
545, 雨の鹿戀に朽ぬは角ばかり
546, 鹿寒し角も身に添ふ枯本哉
547, 鹿啼てはゝその木末あれにけり
548, 菜畠の霜夜は早し鹿の聲
549, 三度啼て聞へずなりぬ鹿の聲
550, 鹿ながら山影門に入日哉
551, 鹿の聲小坊主に角なかりけり
552, 折あしく門こそ叩け鹿の聲
553, 去年より又さびしひぞ秋の暮
554, 父母のことのみおもふ秋のくれ
555, あちらむきに鴫も立たり秋の暮
556, 我がてに我をまねくや秋の暮
557, 門を出れば我も行人秋のくれ
558, 弓取に哥とはれけり秋の暮
559, 淋し身に杖わすれたり秋の暮
560, 木曾路行ていざとしよらん秋ひとり
561, かなしさや釣の糸吹あきの風
562, 秋の風書むしばまず成にけり
563, 金屏の羅は誰カあきのかぜ
564, 秋風や干魚かけたる濱庇
565, 去來去移竹移りぬいく秋ぞ
566, 順禮の目鼻書ゆくふくべ哉
567, 腹の中へ齒はぬけけらし種ふくべ
568, あだ花にかゝる耻なし種ふくべ
569, 人の世に尻を居へたるふくべ哉
570, 我足にかうべぬかるゝ案山子哉
571, 御所柿にたのまれ貌のかゞし哉
572, 姓名は何子か號は案山子哉
573, 三輪の田に頭巾着て居るかゞしかな
574, 山陰や誰呼子鳥引板の音
575, 秋かぜのうごかして行案山子哉
576, 水落て細脛高きかゞし哉
577, 故郷や酒はあしくとそばの花
578, 宮城野ゝ萩更科の蕎麥にいづれ
579, 道のべや手よりこぼれて蕎麥花
580, 落る日のくゝりて染る蕎麥の莖
581, 黒谷の隣はしろしそばのはな
582, なつかしきしをにがもとの野菊哉
583, 綿つみやたばこの花を見て休む
584, 三徑の十歩に盡て蓼の花
585, 甲斐がねや穗蓼の上を鹽車
586, 沙魚釣の小舟漕なる窓の前
587, 百日の鯉切尽て鱸かな
588, 釣上し鱸の巨口玉や吐
589, 水かれゝ蓼歟あらぬ歟蕎麥歟否歟
590, 小鳥來る音うれしさよ板びさし
591, 此森もとかく過けり鵙おとし
592, 山雀や榧の老木に寢にもどる
593, たつ鴫に眠る鴫ありふた法師
594, 鴫立て秋天ひきゝながめ哉
595, わたり鳥こゝをせにせん寺林
596, わたり鳥雲の機手のにしき哉
597, 瀬田降て志賀の夕日や江鮭
598, 駒迎ことにゆゝしや額白
599, 秋の暮辻の地藏に油さす
600, 秋の燈やゆかしき奈良の道具市
601, 追剥を弟子に剃けり秋の旅
602, 秋雨や水底の草を蹈わたる
603, おのが身の闇より吼て夜半の秋
604, 甲賀衆のしのびの賭や夜半の秋
605, 枕上秋の夜を守る刀かな
606, 身の秋や今宵をしのぶ翌もあり
607, 小路行ばちかく聞ゆるきぬた哉
608, うき人に手をうたれたる砧かな
609, 遠近をちこちとうつきぬた哉
610, うき我に砧うて今は又止ミね
611, 石を打狐守夜のきぬた哉
612, 鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分哉
613, 門前の老婆子薪貪る野分かな
614, 梺なる我蕎麥存す野分哉
615, 市人のよべ問かはすのはきかな
616, 客僧の二階下り來る野分哉
617, 秋寒し藤太が鏑ひゞく時
618, 角文字のいざ月もよし牛祭
619, うら枯やからきめ見つる漆の樹
620, 物書に葉うらにめづる芭蕉哉
621, 稻かけて風もひかさじ老の松
622, 水かれて池のひづみや後の月
623, 山茶花の木間見せけり後の月
624, 泊る氣でひとり來ませり十三夜
625, 十月の今宵はしぐれ後の月
626, 唐人よ此花過てのちの月
627, 日でりどし伏水の小菊もらひけり
628, きくの露受て硯のいのち哉
629, いでさらば投壺まいらせん菊の花
630, 白菊や呉山の雪を笠の下
631, 手燭して色失へる黄菊哉
632, 村百戸菊なき門も見へぬ哉
633, あさましき桃の落葉よ菊畠
634, 菊作り汝は菊の奴かな
635, 西行の夜具も出て有紅葉哉
636, ひつぢ田に紅葉ちりかゝる夕日かな
637, 谷水の盡てこがるゝもみぢ哉
638, よらで過る藤澤寺のもみぢ哉
639, むら紅葉會津商人なつかしき
640, 笛の音に波もより來る須磨の秋
641, 雨乞の小町が果やをとし水
642, 村ゝの寢ごゝろ更ぬ落し水
643, 毛見の衆の舟さし下せ最上川
644, 新米の坂田は早しもがみ河
645, 落穗拾ひ日あたる方へあゆみ行
646, 猿どのゝ夜寒訪ゆく兎かな
647, 壁隣ものごとつかす夜さむ哉
648, 缺ゝて月もなくなる夜寒哉
649, 起て居てもう寢たといふ夜寒哉
650, 夜を寒み小冠者臥たり北枕
651, 長き夜や通夜の連哥のこぼれ月
652, 山鳥の枝踏かゆる夜長哉
653, 子鼠のちゝよと啼や夜半の秋
654, 秋風や酒肆に詩うたふ漁者樵者
655, 秋はものゝそばの不作もなつかしき
656, 丸盆の椎にむかしの音聞む
657, 椎拾ふ横河の兒のいとま哉
658, 餉にからき涙やとうがらし
659, 俵して藏め蓄へぬ番椒
660, 折くるゝ心こぼさじ梅もどき
661, 梅もどき折や念珠をかけながら
662, にしき木を立ぬ垣根や番椒
663, 稚子の寺なつかしむいてう哉
664, 茸狩や頭を擧れば峰の月
665, 茯苓は伏かくれ松露はあらはれぬ
666, うれしさの箕にあまりたるむかご哉
667, 鬼貫や新酒の中の貧に處ム
668, 栗備ふ惠心の作の彌陀佛
669, にしき木は吹たふされて鶏頭花
670, くれの秋有職の人は宿に在す
671, いさゝかなをいめ乞れぬ暮の秋
672, 行秋やよき衣きたる掛リ人
673, 跡かくす師の行方や暮の秋
674, 冬ちかし時雨の雲もこゝよりぞ



Wednesday 2 July 2014

Buson summer haiku for Merwin but in kanji and kana


Here are the summer kigo haiku of Yosa Buson such as index against the W.S. Merwin translations from Copper Canyon Press.

225    絹着せぬ家中ゆゝしき更衣
226    辻駕によき人のせつころもがへ
227    大兵の廿チあまりや更衣
228    ころもがへ印籠買に所化二人
229    更衣野路の人はつかに白し
230    たのもしき矢數のぬしの袷哉
231    痩臑の毛に微風あり更衣
232    御手討の夫婦なりしを更衣
233    橘のかごとがましきあはせかな
234    更衣いやしからざるはした錢
235    鞘走る友切丸やほとゝぎす
236    ほとゝぎす平安城を筋違に
237    子規柩をつかむ雲間より
238    春過てなつかぬ鳥や杜鵑
239    ほとゝぎす待や都のそらだのめ
240    時鳥繪になけ東四郎次郎
241    岩倉の狂女戀せよ子規
242    稻葉殿の御茶たぶ夜や時鳥
243    わするなよほどは雲助ほとゝぎす
244    哥なくてきぬゝつらし時鳥
245    草の雨祭の車過てのち
246    牡丹散て打かさなりぬ二三片
247    閻王の口や牡丹を吐んとす
248    寂として客の絶間のぼたん哉
249    地車のとゞろとひゞく牡丹かな
250    ちりて後おもかげにたつぼたん哉
251    牡丹切て氣のおとろひし夕かな
252    山蟻のあからさま也白牡丹
253    廣庭のぼたんや天の一方に
254    狂居士の首にかけた歟鞨鼓鳥
255    閑居鳥寺見ゆ麥林寺とやいふ
256    山人は人也かんこどりは鳥なりけり
257    食次の底たゝく音トやかんこ鳥
258    足跡を字にもよまれず閑古鳥
259    うへ見えぬ笠置の森やかんこどり
260    むつかしき鳩の禮儀やかんこどり
261    閑居鳥さくらの枝も踏で居る
262    かんこどり可もなく不可もなくね哉
263    名のれゝ雨しのはらのほとゝぎす
264    かきつばたべたりと鳶のたれてける
265    宵ゝの雨に音なし杜若
266    みじか夜や六里の松に更たらず
267    鮎くれてよらで過行夜半の門
268    みじか夜や毛むしの上に露の玉
269    短夜や同心衆の川手水
270    みじか夜や枕にちかき銀屏風
271    短夜や芦間流るゝ蟹の泡
272    みじか夜や二尺落ゆく大井川
273    みじか夜を眠らでもるや翁丸
274    短夜や浪うち際の捨篝
275    みじか夜やいとま給る白拍子
276    みじか夜や小見世明たる町はづれ
277    短夜や一つあまりて志賀の松
278    みじか夜や伏見の戸ぼそ淀の窓
279    卯の花のこぼるゝ蕗の廣葉哉
280    來て見れば夕の櫻實となりぬ
281    實ざくらや死のこりたる菴の主
282    しのゝめや雲見えなくに蓼の雨
283    砂川や或は蓼を流れ越す
284    蓼の葉を此君と申せ雀鮓
285    三井寺や日は午にせまる若楓
286    釣しのぶかやにさはらぬ住居かな
287    蚊屋を出て奈良を立ゆく若葉哉
288    窓の燈の梢にのぼる若葉哉
289    不二ひとつうづみ殘してわかばかな
290    絶頂の城たのもしき若葉かな
291    若葉して水白く麥黄ミたり
292    山に添ふて小舟漕ゆく若ば哉
293    蛇を截てわたる谷路の若葉哉
294    蚊屋の内にほたる放してアヽ樂や
295    尼寺や能キたるゝ宵月夜
296    あら凉し裾吹蚊屋も根なし草
297    蚊屋を出て内に居ぬ身の夜は明ぬ
298    明やすき夜をかくしてや東山
299    古井戸や蚊に飛ぶ魚の音くらし
300    うは風に蚊の流れゆく野河哉
301    蚊やりしてまいらす僧の坐右かな
302    三軒家大坂人のかやり哉
303    蚊の聲す忍冬の花の散ルたびに
304    蚊屋つりて翠微つくらむ家の内
305    若竹や橋本の遊女ありやなし
306    笋の藪の案内やをとしざし
307    若竹や夕日の嵯峨と成にけり
308    筍や甥の法師が寺とはん
309    けしの花籬すべくもあらぬ哉
310    垣越て蟇の避行かやりかな
311    うは風に音なき麥を枕もと
312    長旅や駕なき村の麥ほこり
313    病人の駕も過けり麥の秋
314    旅芝居穗麥がもとの鏡たて
315    蕎麥あしき京をかくして穗麥哉
316    狐火やいづこ河内の麥畠
317    春や穗麥が中の水車
318    夏河を越すうれしさよ手に草履
319    なれ過た鮓をあるじの遺恨哉
320    鮓桶をこれへと樹下に床几哉
321    鮓つけて誰待としもなき身哉
322    鮒ずしや彦根が城に雲かゝる
323    麥刈ぬ近道來ませ法の杖
324    かりそめに早百合生ケたり谷の房
325    花いばら故郷の路に似たる哉
326    路たえて香にせまり咲いばらかな
327    愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら
328    耳目肺腸こゝに玉卷ばせを庵
329    青梅に眉あつめたる美人哉
330    青うめをうてばかつ散る青葉かな
331    かはほりやむかひの女房こちを見る
332    夕風や水青鷺の脛をうつ
333    たちばなのかはたれ時や古舘
334    粽解て芦吹風の音聞ん
335    夏山や通ひなれたる若狹人
336    椎の花人もすさめぬにほひ哉
337    水深く利鎌鳴らす眞菰刈
338    しのゝめや露の近江の麻畠
339    採蓴を諷ふ彦根のそう夫哉
340    藻の花や片われからの月もすむ
341    路邊の刈藻花さく宵の雨
342    虫のために害はれ落ツ柿の花
343    うき草を吹あつめてや花むしろ
344    さみだれのうつぼ柱や老が耳
345    湖へ富士をもどすやさつき雨
346    さみだれや大河を前に家二軒
347    さみだれや佛の花を捨に出る
348    小田原で合羽買たり皐月雨
349    さみだれの大井越たるかしこさよ
350    さつき雨田毎の闇となりにけり
351    水桶にうなづきあふや瓜茄子
352    いづこより礫うちけむ夏木立
353    酒十駄ゆりもて行や夏こだち
354    おろし置笈に地震なつ野哉
355    行々てこゝに行々夏野かな
356    葉がくれの枕さがせよ瓜ばたけ
357    離別れたる身を蹈込で田植哉
358    鯰得て歸る田植の男かな
359    狩衣の袖のうら這ふほたる哉
360    學問は尻からぬけるほたる哉
361    でゝむしやその角文字のにじり書
362    蝸牛の住はてし宿やうつせ貝
363    こもり居て雨うたがふや蝸牛
364    雪信が蠅うち拂ふ硯かな
365    こと葉多く早瓜くるゝ女かな
366    關の戸に水鶏のそら音なかりけり
367    蝮の鼾も合歡の葉陰哉
368    蠅いとふ身を古郷に晝寢かな
369    誰住て樒流るゝ鵜川哉
370    しのゝめや鵜をのがれたる魚淺し
371    老なりし鵜飼ことしは見えぬ哉
372    殿原の名古屋貌なる鵜川かな
373    鵜舟漕ぐ水窮まれば照射哉
374    夏百日墨もゆがまぬこゝろかな
375    日を以て數ふる筆の夏書哉
376    降かへて日枝を廿チの化粧かな
377    脱かゆる梢もせみの小河哉
378    石工の鑿冷したる清水かな
379    落合ふて音なくなれる清水哉
380    錢龜や青砥もしらぬ山清水
381    二人してむすべば濁る清水哉
382    我宿にいかに引べきしみづ哉
383    草いきれ人死居ると札の立
384    晝がほやこの道唐の三十里
385    ゆふがほや黄に咲たるも有べかり
386    夕貌の花噛ム猫や餘所ごゝろ
387    飛石も三ツ四ツ蓮のうき葉哉
388    蓮の香や水をはなるゝ莖二寸
389    吹殻の浮葉にけぶる蓮見哉
390    白蓮を切らんとぞおもふ僧のさま
391    河骨の二もとさくや雨の中
392    羅に遮る蓮のにほひ哉
393    雨乞に曇る國司のなみだ哉
394    負腹の守敏も降らす旱かな
395    大粒な雨は祈の奇特かな
396    夜水とる里人の聲や夏の月
397    堂守の小草ながめつ夏の月
398    ぬけがけの淺瀬わたるや夏の月
399    河童の戀する宿や夏の月
400    瓜小家の月にやおはす隱君子
401    雷に小家は燒れて瓜の花
402    あだ花は雨にうたれて瓜ばたけ
403    弓取の帶の細さよたかむしろ
404    細脛に夕風さはる箪
405    あま酒の地獄もちかし箱根山
406    御佛に畫備へけりひと夜酒
407    愚痴無智のあま酒造る松が岡
408    半日の閑を榎やせみの聲
409    大佛のあなた宮樣せみの聲
410    蝉鳴や行者の過る午の刻
411    蝉啼や僧正坊のゆあみ時
412    かけ香や何にとゞまるせみ衣
413    かけ香や唖の娘のひとゝなり
414    かけ香やわすれ貌なる袖だゝみ
415    有と見へて扇の裏繪おぼつかな
416    とかくして笠になしつる扇哉
417    繪團のそれも清十郎にお夏かな
418    手ずさびの團畫かん草の汁
419    渡し呼草のあなたの扇哉
420    祇園會や眞葛原の風かほる
421    ぎをん會や僧の訪よる梶が許
422    丈山の口が過たり夕すゞみ
423    網打の見へずなり行凉かな
424    すゞしさや都を竪にながれ川
425    河床や蓮からまたぐ便にも
426    川床に憎き法師の立居かな
427    凉しさや鐘をはなるゝかねの聲
428    川狩や樓上の人の見しり貌
429    雨後の月誰ソや夜ぶりの脛白き
430    月に對す君に唐網の水煙
431    川狩や歸去來といふ聲す也
432    ゆふだちや筆もかはかず一千言
433    白雨や門脇どのゝ人だまり
434    夕だちや草葉をつかむむら雀
435    腹あしき僧こぼし行施米哉
436    水の粉のきのふに尽ぬ草の菴
437    水の粉やあるじかしこき後家の君
438    廿日路の背中にたつや雲峰
439    揚州の津も見えそめて雲の峯
440    雨と成戀はしらじな雲の峯
441    雲のみね四澤の水の涸てより
442    飛蟻とぶや富士の裾野ゝ小家より
443    日歸りの兀山越るあつさ哉
444    居りたる舟に寢てゐる暑かな
445    暑き日の刀にかゆる扇かな
446    宗鑑に葛水給ふ大臣かな
447    葛を得て清水に遠きうらみ哉
448    端居して妻子を避る暑かな
449    褒居士はかたい親父よ竹婦人
450    虫干や甥の僧訪ふ東大寺
451    ところてん逆しまに銀河三千尺
452    薫風やともしたてかねついつくしま
453    裸身に神うつりませ夏神樂
454    つくばふた禰宜でことすむ御祓哉
455    灸のない背中流すや夏はらへ
456    出水の加茂に橋なし夏祓
457    ゆふがほに秋風そよぐみそぎ川

The haiku above correspond to those found in the Japanese text of haikushuu for Buson.

See my next post for a hiragana first line index to the Merwin summer haiku translations.