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Wednesday, 2 July 2014
Buson summer haiku for Merwin but in kanji and kana
Here are the summer kigo haiku of Yosa Buson such as index against the W.S. Merwin translations from Copper Canyon Press.
225 絹着せぬ家中ゆゝしき更衣
226 辻駕によき人のせつころもがへ
227 大兵の廿チあまりや更衣
228 ころもがへ印籠買に所化二人
229 更衣野路の人はつかに白し
230 たのもしき矢數のぬしの袷哉
231 痩臑の毛に微風あり更衣
232 御手討の夫婦なりしを更衣
233 橘のかごとがましきあはせかな
234 更衣いやしからざるはした錢
235 鞘走る友切丸やほとゝぎす
236 ほとゝぎす平安城を筋違に
237 子規柩をつかむ雲間より
238 春過てなつかぬ鳥や杜鵑
239 ほとゝぎす待や都のそらだのめ
240 時鳥繪になけ東四郎次郎
241 岩倉の狂女戀せよ子規
242 稻葉殿の御茶たぶ夜や時鳥
243 わするなよほどは雲助ほとゝぎす
244 哥なくてきぬゝつらし時鳥
245 草の雨祭の車過てのち
246 牡丹散て打かさなりぬ二三片
247 閻王の口や牡丹を吐んとす
248 寂として客の絶間のぼたん哉
249 地車のとゞろとひゞく牡丹かな
250 ちりて後おもかげにたつぼたん哉
251 牡丹切て氣のおとろひし夕かな
252 山蟻のあからさま也白牡丹
253 廣庭のぼたんや天の一方に
254 狂居士の首にかけた歟鞨鼓鳥
255 閑居鳥寺見ゆ麥林寺とやいふ
256 山人は人也かんこどりは鳥なりけり
257 食次の底たゝく音トやかんこ鳥
258 足跡を字にもよまれず閑古鳥
259 うへ見えぬ笠置の森やかんこどり
260 むつかしき鳩の禮儀やかんこどり
261 閑居鳥さくらの枝も踏で居る
262 かんこどり可もなく不可もなくね哉
263 名のれゝ雨しのはらのほとゝぎす
264 かきつばたべたりと鳶のたれてける
265 宵ゝの雨に音なし杜若
266 みじか夜や六里の松に更たらず
267 鮎くれてよらで過行夜半の門
268 みじか夜や毛むしの上に露の玉
269 短夜や同心衆の川手水
270 みじか夜や枕にちかき銀屏風
271 短夜や芦間流るゝ蟹の泡
272 みじか夜や二尺落ゆく大井川
273 みじか夜を眠らでもるや翁丸
274 短夜や浪うち際の捨篝
275 みじか夜やいとま給る白拍子
276 みじか夜や小見世明たる町はづれ
277 短夜や一つあまりて志賀の松
278 みじか夜や伏見の戸ぼそ淀の窓
279 卯の花のこぼるゝ蕗の廣葉哉
280 來て見れば夕の櫻實となりぬ
281 實ざくらや死のこりたる菴の主
282 しのゝめや雲見えなくに蓼の雨
283 砂川や或は蓼を流れ越す
284 蓼の葉を此君と申せ雀鮓
285 三井寺や日は午にせまる若楓
286 釣しのぶかやにさはらぬ住居かな
287 蚊屋を出て奈良を立ゆく若葉哉
288 窓の燈の梢にのぼる若葉哉
289 不二ひとつうづみ殘してわかばかな
290 絶頂の城たのもしき若葉かな
291 若葉して水白く麥黄ミたり
292 山に添ふて小舟漕ゆく若ば哉
293 蛇を截てわたる谷路の若葉哉
294 蚊屋の内にほたる放してアヽ樂や
295 尼寺や能キたるゝ宵月夜
296 あら凉し裾吹蚊屋も根なし草
297 蚊屋を出て内に居ぬ身の夜は明ぬ
298 明やすき夜をかくしてや東山
299 古井戸や蚊に飛ぶ魚の音くらし
300 うは風に蚊の流れゆく野河哉
301 蚊やりしてまいらす僧の坐右かな
302 三軒家大坂人のかやり哉
303 蚊の聲す忍冬の花の散ルたびに
304 蚊屋つりて翠微つくらむ家の内
305 若竹や橋本の遊女ありやなし
306 笋の藪の案内やをとしざし
307 若竹や夕日の嵯峨と成にけり
308 筍や甥の法師が寺とはん
309 けしの花籬すべくもあらぬ哉
310 垣越て蟇の避行かやりかな
311 うは風に音なき麥を枕もと
312 長旅や駕なき村の麥ほこり
313 病人の駕も過けり麥の秋
314 旅芝居穗麥がもとの鏡たて
315 蕎麥あしき京をかくして穗麥哉
316 狐火やいづこ河内の麥畠
317 春や穗麥が中の水車
318 夏河を越すうれしさよ手に草履
319 なれ過た鮓をあるじの遺恨哉
320 鮓桶をこれへと樹下に床几哉
321 鮓つけて誰待としもなき身哉
322 鮒ずしや彦根が城に雲かゝる
323 麥刈ぬ近道來ませ法の杖
324 かりそめに早百合生ケたり谷の房
325 花いばら故郷の路に似たる哉
326 路たえて香にせまり咲いばらかな
327 愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら
328 耳目肺腸こゝに玉卷ばせを庵
329 青梅に眉あつめたる美人哉
330 青うめをうてばかつ散る青葉かな
331 かはほりやむかひの女房こちを見る
332 夕風や水青鷺の脛をうつ
333 たちばなのかはたれ時や古舘
334 粽解て芦吹風の音聞ん
335 夏山や通ひなれたる若狹人
336 椎の花人もすさめぬにほひ哉
337 水深く利鎌鳴らす眞菰刈
338 しのゝめや露の近江の麻畠
339 採蓴を諷ふ彦根のそう夫哉
340 藻の花や片われからの月もすむ
341 路邊の刈藻花さく宵の雨
342 虫のために害はれ落ツ柿の花
343 うき草を吹あつめてや花むしろ
344 さみだれのうつぼ柱や老が耳
345 湖へ富士をもどすやさつき雨
346 さみだれや大河を前に家二軒
347 さみだれや佛の花を捨に出る
348 小田原で合羽買たり皐月雨
349 さみだれの大井越たるかしこさよ
350 さつき雨田毎の闇となりにけり
351 水桶にうなづきあふや瓜茄子
352 いづこより礫うちけむ夏木立
353 酒十駄ゆりもて行や夏こだち
354 おろし置笈に地震なつ野哉
355 行々てこゝに行々夏野かな
356 葉がくれの枕さがせよ瓜ばたけ
357 離別れたる身を蹈込で田植哉
358 鯰得て歸る田植の男かな
359 狩衣の袖のうら這ふほたる哉
360 學問は尻からぬけるほたる哉
361 でゝむしやその角文字のにじり書
362 蝸牛の住はてし宿やうつせ貝
363 こもり居て雨うたがふや蝸牛
364 雪信が蠅うち拂ふ硯かな
365 こと葉多く早瓜くるゝ女かな
366 關の戸に水鶏のそら音なかりけり
367 蝮の鼾も合歡の葉陰哉
368 蠅いとふ身を古郷に晝寢かな
369 誰住て樒流るゝ鵜川哉
370 しのゝめや鵜をのがれたる魚淺し
371 老なりし鵜飼ことしは見えぬ哉
372 殿原の名古屋貌なる鵜川かな
373 鵜舟漕ぐ水窮まれば照射哉
374 夏百日墨もゆがまぬこゝろかな
375 日を以て數ふる筆の夏書哉
376 降かへて日枝を廿チの化粧かな
377 脱かゆる梢もせみの小河哉
378 石工の鑿冷したる清水かな
379 落合ふて音なくなれる清水哉
380 錢龜や青砥もしらぬ山清水
381 二人してむすべば濁る清水哉
382 我宿にいかに引べきしみづ哉
383 草いきれ人死居ると札の立
384 晝がほやこの道唐の三十里
385 ゆふがほや黄に咲たるも有べかり
386 夕貌の花噛ム猫や餘所ごゝろ
387 飛石も三ツ四ツ蓮のうき葉哉
388 蓮の香や水をはなるゝ莖二寸
389 吹殻の浮葉にけぶる蓮見哉
390 白蓮を切らんとぞおもふ僧のさま
391 河骨の二もとさくや雨の中
392 羅に遮る蓮のにほひ哉
393 雨乞に曇る國司のなみだ哉
394 負腹の守敏も降らす旱かな
395 大粒な雨は祈の奇特かな
396 夜水とる里人の聲や夏の月
397 堂守の小草ながめつ夏の月
398 ぬけがけの淺瀬わたるや夏の月
399 河童の戀する宿や夏の月
400 瓜小家の月にやおはす隱君子
401 雷に小家は燒れて瓜の花
402 あだ花は雨にうたれて瓜ばたけ
403 弓取の帶の細さよたかむしろ
404 細脛に夕風さはる箪
405 あま酒の地獄もちかし箱根山
406 御佛に畫備へけりひと夜酒
407 愚痴無智のあま酒造る松が岡
408 半日の閑を榎やせみの聲
409 大佛のあなた宮樣せみの聲
410 蝉鳴や行者の過る午の刻
411 蝉啼や僧正坊のゆあみ時
412 かけ香や何にとゞまるせみ衣
413 かけ香や唖の娘のひとゝなり
414 かけ香やわすれ貌なる袖だゝみ
415 有と見へて扇の裏繪おぼつかな
416 とかくして笠になしつる扇哉
417 繪團のそれも清十郎にお夏かな
418 手ずさびの團畫かん草の汁
419 渡し呼草のあなたの扇哉
420 祇園會や眞葛原の風かほる
421 ぎをん會や僧の訪よる梶が許
422 丈山の口が過たり夕すゞみ
423 網打の見へずなり行凉かな
424 すゞしさや都を竪にながれ川
425 河床や蓮からまたぐ便にも
426 川床に憎き法師の立居かな
427 凉しさや鐘をはなるゝかねの聲
428 川狩や樓上の人の見しり貌
429 雨後の月誰ソや夜ぶりの脛白き
430 月に對す君に唐網の水煙
431 川狩や歸去來といふ聲す也
432 ゆふだちや筆もかはかず一千言
433 白雨や門脇どのゝ人だまり
434 夕だちや草葉をつかむむら雀
435 腹あしき僧こぼし行施米哉
436 水の粉のきのふに尽ぬ草の菴
437 水の粉やあるじかしこき後家の君
438 廿日路の背中にたつや雲峰
439 揚州の津も見えそめて雲の峯
440 雨と成戀はしらじな雲の峯
441 雲のみね四澤の水の涸てより
442 飛蟻とぶや富士の裾野ゝ小家より
443 日歸りの兀山越るあつさ哉
444 居りたる舟に寢てゐる暑かな
445 暑き日の刀にかゆる扇かな
446 宗鑑に葛水給ふ大臣かな
447 葛を得て清水に遠きうらみ哉
448 端居して妻子を避る暑かな
449 褒居士はかたい親父よ竹婦人
450 虫干や甥の僧訪ふ東大寺
451 ところてん逆しまに銀河三千尺
452 薫風やともしたてかねついつくしま
453 裸身に神うつりませ夏神樂
454 つくばふた禰宜でことすむ御祓哉
455 灸のない背中流すや夏はらへ
456 出水の加茂に橋なし夏祓
457 ゆふがほに秋風そよぐみそぎ川
The haiku above correspond to those found in the Japanese text of haikushuu for Buson.
See my next post for a hiragana first line index to the Merwin summer haiku translations.
Monday, 30 June 2014
W.S. Merwin's translations of Buson spring haiku with hiragana 1st line index
Here are the same 224 haiku as found in W.S. Merwin's translations of Yosa Buson's spring kigo haiku with first lines in hiragana script. They match 1-to-1 to the 224 haiku in Japanese kanji and kana in the previous post.
1 new year, ほうらいの
2 new year, ひのひかり
3 new year, さんわんの
4 bush warbler, woven bamboo fences, うぐいすの
5 bush warbler, うぐいすの
6 bush warbler, うぐいすの
7 bush warbler, うぐいすを
8 bush warbler, caption to a painting, うぐいすや
9 bush warbler, うぐいすの
10 bush warbler, うぐいすや
11 bush warbler, うぐいすや
12 bush warbler, うぐいすの
13 weeping willows, The Palace in Blue Spring Twilight, あおやぎや
14 weeping willows, わかくさに
15 weeping willows, うめちりて
16 weeping willows, すてやらで
17 weeping willows, あおやぎや
18 weeping willows, でるくいを
19 Plum Trees in Flower, A Grass Hut, ふたもとの
20 Plum Trees in Flower, うめおろて
21 Plum Trees in Flower, はくばいや
22 Plum Trees in Flower, しらうめや
23 Plum Trees in Flower, まいまいの
24 Plum Trees in Flower, いずべくとして
25 Plum Trees in Flower, やどのうめ
26 Plum Trees in Flower, すみずみに
27 Plum Trees in Flower, しらうめや
28 Plum Trees in Flower, うめちるや
29 Plum Trees in Flower, うめさいて
30 Plum Trees in Flower, げんぱちを
31 Plum Trees in Flower, ひをおかで
32 Plum Trees in Flower, spelling and meaning, うめさきぬ
33 Plum Trees in Flower, しらうめの
34 Plum Trees in Flower, あずきうる
35 Plum Trees in Flower, うめおちこち
36 Early Spring, なにわめや
37 Early Spring, ぎょきのかね
38 The Servants’Holiday, やぶいりの
39 The Servants’Holiday, やぶいりや
40 The Servants’Holiday, やぶいりや
41 The Servants’Holiday, やぶいりや
42 The Servants’Holiday, やぶいりわ
43 Spring Air, The Seventh Day of the New Year, ななくさや
44 Spring Air, これきりに
45 Spring Air, ふるでらや
46 Spring Air, Upon Touring Wakinohama with Kito, すじかいに
47 Spring Air, ひじしろき
48 Spring Air, はるのよに
49 Spring Air, しゅんげつや
50 Spring Air, Hearing the Koto, しょうしょうの
51 Spring Air, おりくぎに
52 Spring Air, きんだちに
53 Spring Air, Chinese poets cherish …, はろのよや
54 Spring Air, おんなぐして
55 Spring Air, くすりぬすむ
56 Spring Air, よきひとを
57 Spring Air, さしぬきを
58 Spring Air, Looking across the Field, くさかすみ
59 Spring Air, しなんしゃを
60 Spring Air, こまぶねの
61 The Rivers in Spring, はしなくて
62 The Rivers in Spring, しゅんすいや
63 The Rivers in Spring, あしよわの
64 The Rivers in Spring, はるのみず
65 The Rivers in Spring, はるのみずに
66 Spring Rain, へびをおう
67 Spring Rain, Kyoto ghost house, はるさめや
68 Spring Rain, ものだねの
69 Spring Rain, はるさめや
70 Spring Rain, はるさめや
71 Spring Rain, たきぐしに
72 Spring Rain, ぬなはおう
73 Spring Rain, Composed in a Dream, はるさめや
74 Spring Rain, はるさめや
75 Spring Rain, はるさめや
76 Spring Rain, ふしずけの
77 Spring Rain, はるさめや
78 Spring Rain, はるさめや
79 Camelias, At a Hermit’s Place, ふるにわに
80 Camelias, あじきなや
81 Camelias, たますりの
82 Five Grains Day, はつゆまや
83 Five Grains Day, はつゆまや
84 Five Grains Day, はつゆまや
85 Five Grains Day, つぼみとわ
86 Five Grains Day, みょうぶより
87 Mud Snails, そこそこに
88 Mud Snails, なつかしき
89 Mud Snails, しずかさに
90 After The Geese Have Gone, かりたちて
91 After The Geese Have Gone, かりゆきて
92 After The Geese Have Gone, かえるかり
93 After The Geese Have Gone, きのういに
94 After The Geese Have Gone, かげろうや
95 After The Geese Have Gone, かげろうや
96 After The Geese Have Gone, A Meeting at Basho’s Hut, はたけうつや
97 After The Geese Have Gone, はたうちよ
98 After The Geese Have Gone, はたうちや
99 After The Geese Have Gone, At Ohara, はるさめの
100 Pheasants, ひくるるに
101 Pheasants, しばかりに
102 Pheasants, かめやまえ
103 Pheasants, はげやまや
104 Pheasants, むくとおきて
105 Pheasants, ぼけのかげに
106 Pheasants, いもがかきね
107 Pheasants, こうばいや
108 Pheasants, こうばいの
109 Pheasants, かきごしに
110 Pheasants, うらもんの
111 Pheasants, はたうちや
112 Pheasants, きじなくや
113 Pheasants, きじなくや
114 Pheasants, Mountain in the West ..., やまどりの
115 Pheasants, おそきひや
116 Spring Day, Reminiscence, おそきひの
117 Spring Day, はるのうみ
118 Spring Day, はたうつや
119 Spring Day, たがえしの
120 Spring Day, tびかわす
121 Swallows, おおつえに
122 Swallows, やまとじの
123 Swallows, つばくらや
124 Swallows, つばめないて
125 Spring Breeze, A Meeting at Mui–an, あけぼのの
126 Spring Breeze, のばかまの
127 Spring Breeze, かたまちに
128 Spring Breeze, のうれんに
129 Spring Breeze, かわちじや
130 Frogs, Kito Proposed ..., つきにきいて
131 Frogs, かくにざして
132 Frogs, なわしろの
133 Frogs, ひわひぐれよ
134 Frogs, れんがして
135 Frogs, よこかまくび
136 New Life, うつつなき
137 New Life, あかつきの
138 New Life, よもすがら
139 New Life, ふるかわの
140 New Life, しののめに
141 New Life, やまぶきや
142 New Life, すわりたる
143 New Life, こつひろう
144 Azeleas, わらびのや
145 Azeleas, のとともに
146 Azeleas, つつじのや
147 Azeleas, つつじさいて
148 Azeleas, ちかみちえ
149 Azeleas, つつじさいて
150 Azeleas, いわにこし
151 Doll Festival, Doll Festival, ふるびなや
152 Doll Festival, はこをでる
153 Doll Festival, たらちねの
154 Doll Festival, でかわりや
155 Doll Festival, ひなみせの
156 Doll Festival, ひなまつる
157 Peach Blossoms, くうてねて
158 Peach Blossoms, あきんどを
159 Peach Blossoms, さくらよrをい
160 Peach Blossoms, かしゅうしゅに
161 A Kite, いかのぼり
162 A Kite, やぶいりの
163 Cherry Blossoms, このしたが
164 Cherry Blossoms, たまくらの
165 Cherry Blossoms, ごうりきは
166 Cherry Blossoms, よるとうりんを
167 Cherry Blossoms, くれんとす
168 Cherry Blossoms, ぜにこうて
169 Cherry Blossoms, ゆきくれて
170 Cherry Blossoms, うたくずの
171 Cherry Blossoms, まだきとも
172 Cherry Blossoms, さがひとひ
173 Cherry Blossoms, みよしのよ
174 Cherry Blossoms, たびびとの
175 Cherry Blossoms, うみてより
176 Cherry Blossoms, はなにとく
177 Cherry Blossoms, はなにくれて
178 Cherry Blossoms, はなちるや
179 Cherry Blossoms, はなのおの
180 Cherry Blossoms, あこくその
181 Cherry Blossoms, かくれすみて
182 Cherry Blossoms, たまがわに
183 Cherry Blossoms, ならみちや
184 Cherry Blossoms, さがえかえる
185 Cherry Blossoms, はなのかや
186 Cherry Blossoms, いかだしの
187 Cherry Blossoms, けいせいは
188 Cherry Blossoms, はなにまわで
189 Cherry Blossoms, はなにきて
190 Cherry Blossoms, はなをふみし
191 Cherry Blossoms, すえぶろに
192 Cherry Blossoms, うぐいすの
193 Cherry Blossoms, ねぶたさの
194 Cherry Blossoms, さくらがり
195 Cherry Blossoms, はなのまく
196 Cherry Blossoms, こかじゃいでて
197 Spring Twilight, においある
198 Spring Twilight, たがための
199 Spring Twilight, へいちょうの
200 Spring Twilight, うたたねの
201 Spring Twilight, はるのゆう
202 Spring Twilight, はなちりて
203 Spring Twilight, なわしろや
204 Pear Blossoms, かいがねに
205 Pear Blossoms, なしのはな
206 Wisteria, ひとなきひ
207 Wisteria, やまもとに
208 Wisteria, うつむけに
209 Mustard Flowers, A Spring Scene, なのはなや
210 Mustard Flowers, なのはなや
211 Mustard Flowers, なのはなや
212 The End of Spring, A Haiku Gathering, ろふさいで
213 The End of Spring, ろふさぎや
214 The End of Spring, Late Spring, ゆくはるや
215 The End of Spring, ゆくはるや
216 The End of Spring, せんそくの
217 The End of Spring, きょうのみの
218 The End of Spring, Upon Visiting Shoha’s Villa, ゆくはるや
219 The End of Spring, はるおしむ
220 The End of Spring, ゆくはるや
221 The End of Spring, まだやごう
222 The End of Spring, ゆくはるや
223 The End of Spring, When Someone Asked Me to Write a Haiku, へんかなき
224 The End of Spring, はるおしむ
Buson spring haiku for Merwin but in kanji and kana
Here are the spring kigo haiku of Yosa Buson such as index against the 224 found in the Merwin translations :
1 ほうらいの山まつりせむ老の春
2 日の光今朝や鰯のかしらより
3 三椀の雜煮かゆるや長者ぶり
4 うぐひすのあちこちとするや小家がち
5 鶯の聲遠き日も暮にけり
6 うぐひすの鹿相がましき初音哉
7 鶯を雀歟と見しそれも春
8 うぐひすや賢過たる軒の梅
9 鶯の日枝をうしろに高音哉
10 うぐひすや家内揃ふて飯時分
11 鶯や茨くゞりて高う飛ぶ
12 うぐひすの啼やちいさき口明て
13 青柳や我大君の艸か木か
14 若草に根をわすれたる柳かな
15 梅ちりてさびしく成しやなぎ哉
16 捨やらで柳さしけり雨のひま
17 青柳や芹生の里のせりの中
18 出る杭をうたうとしたりや柳かな
19 二もとの梅に遲速を愛す哉
20 うめ折て皺手にかこつ薫かな
21 白梅や墨芳しき鴻ウ舘
22 しら梅や誰むかしより垣の外
23 舞ゝの場もふけたり梅がもと
24 出べくとして出ずなりぬうめの宿
25 宿の梅折取ほどになりにけり
26 隅ゝに殘る寒さやうめの花
27 しら梅や北野ゝ茶屋にすまひ取
28 うめ散や螺鈿こぼるゝ卓の上
29 梅咲て帶買ふ室の遊女かな
30 源八をわたりて梅のあるじ哉
31 燈を置カで人あるさまや梅が宿
32 梅咲ぬどれがむめやらうめじややら
33 しら梅の枯木にもどる月夜哉
34 小豆賣小家の梅のつぼみがち
35 梅遠近南すべく北すべく
36 なには女や京を寒がる御忌詣
37 御忌の鐘ひゞくや谷の氷まで
38 やぶ入の夢や小豆の煮るうち
39 藪いりやよそ目ながらの愛宕山
40 やぶいりや守袋をわすれ草
41 秩父入や鉄漿もらひ來る傘の下
42 やぶ入は中山寺の男かな
43 七くさや袴の紐の片むすび
44 これきりに徑盡たり芹の中
45 古寺やほうろく捨るせりの中
46 筋違にふとん敷たり宵の春
47 肘白き僧のかり寢や宵の春
48 春の夜に尊き御所を守身かな
49 春月や印金堂の木間より
50 瀟湘の鴈のなみだやおぼろ月
51 折釘に烏帽子かけたり春の宿
52 公達に狐化たり宵の春
53 春の夜や宵あけぼのゝ其中に
54 女倶して内裏拜まんおぼろ月
55 藥盗む女やは有おぼろ月
56 よき人を宿す小家や朧月
57 さしぬきを足でぬぐ夜や朧月
58 草霞み水に聲なき日ぐれ哉
59 指南車を胡地に引去ル霞哉
60 高麗舟のよらで過ゆく霞かな
61 橋なくて日暮んとする春の水
62 春水や四條五條の橋の下
63 足よはのわたりて濁るはるの水
64 春の水背戸に田作らんとぞ思ふ
65 春の水うたゝ鵜繩の稽古哉
66 蛇を追ふ鱒のおもひや春の水
67 春雨や人住ミて煙壁を洩る
68 物種の袋ぬらしつ春のあめ
69 春雨や見にふる頭巾着たりけり
70 春雨や小磯の小貝ぬるゝほど
71 瀧口に燈を呼聲や春の雨
72 ぬなは生ふ池の水かさや春の雨
73 春雨やもの書ぬ身のあはれなる
74 はるさめや暮なんとしてけふも有
75 春雨やものがたりゆく簑と傘
76 柴漬の沈みもやらで春の雨
77 春雨やいざよふ月の海半
78 はるさめや綱が袂に小でうちん
79 古庭に茶筌花さく椿かな
80 あぢきなや椿落うづむにはたずみ
81 玉人の座右にひらくつばき哉
82 初午やその家の袖だゝみ
83 はつむまや鳥羽四塚の鶏の聲
84 初午や物種うりに日のあたる
85 莟とはなれもしらずよ蕗のとう
86 命婦よりぼた餅たばす彼岸哉
87 そこゝに京見過しぬ田にし賣
88 なつかしき津守の里や田螺あへ
89 靜さに堪へて水澄たにしかな
90 鴈立て驚破田にしの戸を閉る
91 鴈行て門田も遠くおもはるゝ
92 歸る鴈田ごとの月の曇る夜に
93 きのふ去ニけふいに鴈のなき夜哉
94 陽炎や名もしらぬ虫の白き飛
95 かげろふや簀に土をめづる人
96 畑うつやうごかぬ雲もなくなりぬ
97 はた打よこちの在所の鐘が鳴
98 畑打や木間の寺の鐘供養
99 春雨の中におぼろの清水哉
100 日くるゝに雉子うつ春の山邊かな
101 柴刈に砦を出るや雉の聲
102 龜山へ通ふ大工やきじの聲
103 兀山や何にかくれてきじのこゑ
104 むくと起て雉追ふ犬や寶でら
105 木瓜の陰に貌類ひ住ムきゞす哉
106 妹が垣根さみせん草の花咲ぬ
107 紅梅や此丘より劣る此丘尼寺
108 紅梅の落花燃らむ馬の糞
109 垣越にものうちかたる接木哉
110 裏門の寺に逢着す蓬かな
111 畑うちや法三章の札のもと
112 きじ啼や草の武藏の八平氏
113 きじ鳴や坂を下リの驛舎
114 山鳥の尾をふむ春の入日哉
115 遲キ日や雉子の下りゐる橋の上
116 遲き日のつもりて遠きむかしかな
117 春の海終日のたりゝ哉
118 畠うつや鳥さへ啼ぬ山かげに
119 耕や五石の粟のあるじ貌
120 飛かはすやたけごゞろや親雀
121 大津繪に糞落しゆく燕かな
122 大和路の宮もわら屋もつばめ哉
123 つばくらや水田の風に吹れ貌
124 燕啼て夜蛇をうつ小家哉
125 曙のむらさきの幕や春の風
126 野ばかまの法師が旅や春のかぜ
127 片町にさらさ染るや春の風
128 のうれんに東風吹いせの出店哉
129 河内路や東風吹送る巫女が袖
130 月に聞て蛙ながむる田面かな
131 閣に座して遠き蛙をきく夜哉
132 苗代の色紙に遊ぶかはづかな
133 日は日くれよ夜は夜明ケよと啼蛙
134 連哥してもどる夜鳥羽の蛙哉
135 獨鈷鎌首水かけ論のかはづかな
136 うつゝなきつまみごゝろの胡蝶哉
137 曉の雨やすぐろの薄はら
138 よもすがら音なき雨や種俵
139 古河の流を引つ種おろし
140 しのゝめに小雨降出す燒野哉
141 山吹や井手を流るゝ鉋屑
142 居りたる舟を上ればすみれ哉
143 骨拾ふ人にしたしき菫かな
144 わらび野やいざ物焚ん枯つゝじ
145 野とゝもに燒る地藏のしきみ哉
146 つゝじ野やあらぬ所に麥畠
147 つゝじ咲て石移したる嬉しさよ
148 近道へ出てうれし野ゝ躑躅哉
149 つゝじ咲て片山里の飯白し
150 岩に腰吾頼光のつゝじ哉
151 古雛やむかしの人の袖几帳
152 箱を出る貌わすれめや雛二對
153 たらちねのつまゝずありや雛の鼻
154 出代や春さめと古葛籠
155 雛見世の灯を引ころや春の雨
156 雛祭る都はづれや桃の月
157 喰ふて寢て牛にならばや桃花
158 商人を吼る犬ありもゝの花
159 さくらより桃にしたしき小家哉
160 家中衆にさむしろ振ふもゝの宿
161 几巾きのふの空のありどころ
162 やぶいりのまたいで過ぬ几巾絲
163 木の下が蹄のかぜや散さくら
164 手まくらの夢はかざしの櫻哉
165 剛力は徒に見過ぬ山ざくら
166 夜桃林を出てあかつき嵯峨の櫻人
167 暮んとす春をゝしほの山ざくら
168 錢買て入るやよしのゝ山ざくら
169 ゆき暮て雨もる宿やいとざくら
170 哥屑の松に吹れて山ざくら
171 まだきとも散りしとも見ゆれ山櫻
172 嵯峨ひと日閑院樣のさくら哉
173 みよし野ゝちか道寒し山櫻
174 旅人の鼻まだ寒し初ざくら
175 海手より日は照つけて山ざくら
176 花に遠く櫻に近しよしの川
177 花に暮て我家遠き野道かな
178 花ちるやおもたき笈のうしろより
179 花の御能過て夜を泣ク浪花人
180 阿古久曾のさしぬきふるふ落花哉
181 かくれて住て花に眞田が謠かな
182 玉川に高野ゝ花や流れ去
183 なら道や當皈ばたけの花一本
184 嵯峨へ歸る人はいづこの花に暮し
185 花の香や嵯峨のともし火消る時
186 筏士の蓑やあらしの花衣
187 傾城は後の世かけて花見かな
188 花に舞ハで歸さにくし白拍子
189 花に來て花にいねぶるいとま哉
190 花を蹈し草履も見えて朝寐哉
191 居風呂に後夜きく花のもどりかな
192 鶯のたまゝ啼や花の山
193 ねぶたさの春は御室の花よりぞ
194 さくら狩美人の腹や減却す
195 花の幕兼好を覗く女あり
196 小冠者出て花見る人を咎けり
197 にほひある衣も疊まず春の暮
198 誰ためのひくき枕ぞはるのくれ
199 閉帳の錦たれたり春の夕
200 うたゝ寢のさむれば春の日くれたり
201 春の夕たえなむとする香をつぐ
202 花ちりて木間の寺と成にけり
203 苗代や鞍馬の櫻ちりにけり
204 甲斐がねに雲こそかゝれ梨の花
205 梨の花月に書ミよむ女あり
206 人なき日藤に培ふ法師かな
207 山もとに米蹈ム音や藤のはな
208 うつむけに春うちあけて藤の花
209 菜の花や月は東に日は西に
210 なのはなや笋見ゆる小風呂敷
211 菜の花や鯨もよらず海暮ぬ
212 爐塞て南阮の風呂に入身哉
213 爐ふさぎや床は維摩に掛替る
214 ゆく春や逡巡として遲ざくら
215 行春や撰者をうらむ哥の主
216 洗足の盥も漏りてゆく春や
217 けふのみの春をあるひて仕舞けり
218 行春や白き花見ゆ垣のひま
219 春をしむ座主の聯句に召れけり
220 行春やむらさきさむる筑羽山
221 まだ長ふなる日に春の限りかな
222 ゆく春や横河へのぼるいもの神
223 返哥なき青女房よくれの春
224 春惜しむ宿やあふみの置火燵
See my next post for the Merwin first lines in hiragana.
The haiku above roughly correspond to the first found in the Japanese text of haikushuu for Buson.
1 ほうらいの山まつりせむ老の春
2 日の光今朝や鰯のかしらより
3 三椀の雜煮かゆるや長者ぶり
4 うぐひすのあちこちとするや小家がち
5 鶯の聲遠き日も暮にけり
6 うぐひすの鹿相がましき初音哉
7 鶯を雀歟と見しそれも春
8 うぐひすや賢過たる軒の梅
9 鶯の日枝をうしろに高音哉
10 うぐひすや家内揃ふて飯時分
11 鶯や茨くゞりて高う飛ぶ
12 うぐひすの啼やちいさき口明て
13 青柳や我大君の艸か木か
14 若草に根をわすれたる柳かな
15 梅ちりてさびしく成しやなぎ哉
16 捨やらで柳さしけり雨のひま
17 青柳や芹生の里のせりの中
18 出る杭をうたうとしたりや柳かな
19 二もとの梅に遲速を愛す哉
20 うめ折て皺手にかこつ薫かな
21 白梅や墨芳しき鴻ウ舘
22 しら梅や誰むかしより垣の外
23 舞ゝの場もふけたり梅がもと
24 出べくとして出ずなりぬうめの宿
25 宿の梅折取ほどになりにけり
26 隅ゝに殘る寒さやうめの花
27 しら梅や北野ゝ茶屋にすまひ取
28 うめ散や螺鈿こぼるゝ卓の上
29 梅咲て帶買ふ室の遊女かな
30 源八をわたりて梅のあるじ哉
31 燈を置カで人あるさまや梅が宿
32 梅咲ぬどれがむめやらうめじややら
33 しら梅の枯木にもどる月夜哉
34 小豆賣小家の梅のつぼみがち
35 梅遠近南すべく北すべく
36 なには女や京を寒がる御忌詣
37 御忌の鐘ひゞくや谷の氷まで
38 やぶ入の夢や小豆の煮るうち
39 藪いりやよそ目ながらの愛宕山
40 やぶいりや守袋をわすれ草
41 秩父入や鉄漿もらひ來る傘の下
42 やぶ入は中山寺の男かな
43 七くさや袴の紐の片むすび
44 これきりに徑盡たり芹の中
45 古寺やほうろく捨るせりの中
46 筋違にふとん敷たり宵の春
47 肘白き僧のかり寢や宵の春
48 春の夜に尊き御所を守身かな
49 春月や印金堂の木間より
50 瀟湘の鴈のなみだやおぼろ月
51 折釘に烏帽子かけたり春の宿
52 公達に狐化たり宵の春
53 春の夜や宵あけぼのゝ其中に
54 女倶して内裏拜まんおぼろ月
55 藥盗む女やは有おぼろ月
56 よき人を宿す小家や朧月
57 さしぬきを足でぬぐ夜や朧月
58 草霞み水に聲なき日ぐれ哉
59 指南車を胡地に引去ル霞哉
60 高麗舟のよらで過ゆく霞かな
61 橋なくて日暮んとする春の水
62 春水や四條五條の橋の下
63 足よはのわたりて濁るはるの水
64 春の水背戸に田作らんとぞ思ふ
65 春の水うたゝ鵜繩の稽古哉
66 蛇を追ふ鱒のおもひや春の水
67 春雨や人住ミて煙壁を洩る
68 物種の袋ぬらしつ春のあめ
69 春雨や見にふる頭巾着たりけり
70 春雨や小磯の小貝ぬるゝほど
71 瀧口に燈を呼聲や春の雨
72 ぬなは生ふ池の水かさや春の雨
73 春雨やもの書ぬ身のあはれなる
74 はるさめや暮なんとしてけふも有
75 春雨やものがたりゆく簑と傘
76 柴漬の沈みもやらで春の雨
77 春雨やいざよふ月の海半
78 はるさめや綱が袂に小でうちん
79 古庭に茶筌花さく椿かな
80 あぢきなや椿落うづむにはたずみ
81 玉人の座右にひらくつばき哉
82 初午やその家の袖だゝみ
83 はつむまや鳥羽四塚の鶏の聲
84 初午や物種うりに日のあたる
85 莟とはなれもしらずよ蕗のとう
86 命婦よりぼた餅たばす彼岸哉
87 そこゝに京見過しぬ田にし賣
88 なつかしき津守の里や田螺あへ
89 靜さに堪へて水澄たにしかな
90 鴈立て驚破田にしの戸を閉る
91 鴈行て門田も遠くおもはるゝ
92 歸る鴈田ごとの月の曇る夜に
93 きのふ去ニけふいに鴈のなき夜哉
94 陽炎や名もしらぬ虫の白き飛
95 かげろふや簀に土をめづる人
96 畑うつやうごかぬ雲もなくなりぬ
97 はた打よこちの在所の鐘が鳴
98 畑打や木間の寺の鐘供養
99 春雨の中におぼろの清水哉
100 日くるゝに雉子うつ春の山邊かな
101 柴刈に砦を出るや雉の聲
102 龜山へ通ふ大工やきじの聲
103 兀山や何にかくれてきじのこゑ
104 むくと起て雉追ふ犬や寶でら
105 木瓜の陰に貌類ひ住ムきゞす哉
106 妹が垣根さみせん草の花咲ぬ
107 紅梅や此丘より劣る此丘尼寺
108 紅梅の落花燃らむ馬の糞
109 垣越にものうちかたる接木哉
110 裏門の寺に逢着す蓬かな
111 畑うちや法三章の札のもと
112 きじ啼や草の武藏の八平氏
113 きじ鳴や坂を下リの驛舎
114 山鳥の尾をふむ春の入日哉
115 遲キ日や雉子の下りゐる橋の上
116 遲き日のつもりて遠きむかしかな
117 春の海終日のたりゝ哉
118 畠うつや鳥さへ啼ぬ山かげに
119 耕や五石の粟のあるじ貌
120 飛かはすやたけごゞろや親雀
121 大津繪に糞落しゆく燕かな
122 大和路の宮もわら屋もつばめ哉
123 つばくらや水田の風に吹れ貌
124 燕啼て夜蛇をうつ小家哉
125 曙のむらさきの幕や春の風
126 野ばかまの法師が旅や春のかぜ
127 片町にさらさ染るや春の風
128 のうれんに東風吹いせの出店哉
129 河内路や東風吹送る巫女が袖
130 月に聞て蛙ながむる田面かな
131 閣に座して遠き蛙をきく夜哉
132 苗代の色紙に遊ぶかはづかな
133 日は日くれよ夜は夜明ケよと啼蛙
134 連哥してもどる夜鳥羽の蛙哉
135 獨鈷鎌首水かけ論のかはづかな
136 うつゝなきつまみごゝろの胡蝶哉
137 曉の雨やすぐろの薄はら
138 よもすがら音なき雨や種俵
139 古河の流を引つ種おろし
140 しのゝめに小雨降出す燒野哉
141 山吹や井手を流るゝ鉋屑
142 居りたる舟を上ればすみれ哉
143 骨拾ふ人にしたしき菫かな
144 わらび野やいざ物焚ん枯つゝじ
145 野とゝもに燒る地藏のしきみ哉
146 つゝじ野やあらぬ所に麥畠
147 つゝじ咲て石移したる嬉しさよ
148 近道へ出てうれし野ゝ躑躅哉
149 つゝじ咲て片山里の飯白し
150 岩に腰吾頼光のつゝじ哉
151 古雛やむかしの人の袖几帳
152 箱を出る貌わすれめや雛二對
153 たらちねのつまゝずありや雛の鼻
154 出代や春さめと古葛籠
155 雛見世の灯を引ころや春の雨
156 雛祭る都はづれや桃の月
157 喰ふて寢て牛にならばや桃花
158 商人を吼る犬ありもゝの花
159 さくらより桃にしたしき小家哉
160 家中衆にさむしろ振ふもゝの宿
161 几巾きのふの空のありどころ
162 やぶいりのまたいで過ぬ几巾絲
163 木の下が蹄のかぜや散さくら
164 手まくらの夢はかざしの櫻哉
165 剛力は徒に見過ぬ山ざくら
166 夜桃林を出てあかつき嵯峨の櫻人
167 暮んとす春をゝしほの山ざくら
168 錢買て入るやよしのゝ山ざくら
169 ゆき暮て雨もる宿やいとざくら
170 哥屑の松に吹れて山ざくら
171 まだきとも散りしとも見ゆれ山櫻
172 嵯峨ひと日閑院樣のさくら哉
173 みよし野ゝちか道寒し山櫻
174 旅人の鼻まだ寒し初ざくら
175 海手より日は照つけて山ざくら
176 花に遠く櫻に近しよしの川
177 花に暮て我家遠き野道かな
178 花ちるやおもたき笈のうしろより
179 花の御能過て夜を泣ク浪花人
180 阿古久曾のさしぬきふるふ落花哉
181 かくれて住て花に眞田が謠かな
182 玉川に高野ゝ花や流れ去
183 なら道や當皈ばたけの花一本
184 嵯峨へ歸る人はいづこの花に暮し
185 花の香や嵯峨のともし火消る時
186 筏士の蓑やあらしの花衣
187 傾城は後の世かけて花見かな
188 花に舞ハで歸さにくし白拍子
189 花に來て花にいねぶるいとま哉
190 花を蹈し草履も見えて朝寐哉
191 居風呂に後夜きく花のもどりかな
192 鶯のたまゝ啼や花の山
193 ねぶたさの春は御室の花よりぞ
194 さくら狩美人の腹や減却す
195 花の幕兼好を覗く女あり
196 小冠者出て花見る人を咎けり
197 にほひある衣も疊まず春の暮
198 誰ためのひくき枕ぞはるのくれ
199 閉帳の錦たれたり春の夕
200 うたゝ寢のさむれば春の日くれたり
201 春の夕たえなむとする香をつぐ
202 花ちりて木間の寺と成にけり
203 苗代や鞍馬の櫻ちりにけり
204 甲斐がねに雲こそかゝれ梨の花
205 梨の花月に書ミよむ女あり
206 人なき日藤に培ふ法師かな
207 山もとに米蹈ム音や藤のはな
208 うつむけに春うちあけて藤の花
209 菜の花や月は東に日は西に
210 なのはなや笋見ゆる小風呂敷
211 菜の花や鯨もよらず海暮ぬ
212 爐塞て南阮の風呂に入身哉
213 爐ふさぎや床は維摩に掛替る
214 ゆく春や逡巡として遲ざくら
215 行春や撰者をうらむ哥の主
216 洗足の盥も漏りてゆく春や
217 けふのみの春をあるひて仕舞けり
218 行春や白き花見ゆ垣のひま
219 春をしむ座主の聯句に召れけり
220 行春やむらさきさむる筑羽山
221 まだ長ふなる日に春の限りかな
222 ゆく春や横河へのぼるいもの神
223 返哥なき青女房よくれの春
224 春惜しむ宿やあふみの置火燵
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